国際唎酒師が選ぶ日本酒！銘柄100種類の旅ノート53【緑川】

シェリー

日本酒銘柄100種類の旅ノート。辨天娘の次は？

『緑川』を紹介するよ

かず

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かず

この記事を書く僕は、2016年1月に国際唎酒師を取得しました。
毎日1合たしなみ、舌を鍛えてますよーー！

国際唎酒師が選ぶ日本酒！銘柄100種類の旅ノート53【緑川】

少し前、僕はこんなツイートをしました。

新潟の「緑川 純米吟醸」が量り売りされていたので購入。
この蔵、何と外回りの営業マンがいないんです❗️「じゃあどうやって売んの？」→『全て特約店経由』です。それでまわるほど酒屋から愛され、彼らに販売の全てを託す方針。自社HPすら持っていません。他の酒蔵は真似できん😅#日本酒 #緑川 pic.twitter.com/zIJH3ObbIf

— かず@TOEIC900超え (@kaz_toeic950) October 24, 2020

日本酒の旅ノート53は、「緑川」について解説します。

日本酒の銘柄「緑川」：3分解説

緑川は新潟県の日本酒です。

新潟といえば越乃寒梅や久保田、八海山などの超有名な銘柄が造られる県。「地酒といえば何県？」と日本人に尋ねると、大多数が「新潟」とこたえるでしょう。

新潟には酒蔵が90社あります。しかし、前述した強すぎる酒蔵の影響で他のうまい酒が隠れてしまう…

そこで今回は、そんな新潟ロスの1つである「緑川 純米吟醸」を紹介します。

淡くキレイな酒

香りほんのり、旨味ほんのり。一般的には失礼な言い方をすると「インパクトがない酒」。しかし、インパクトって必要ですか？

緑川の出すこたえは「No」です。なぜなら、インパクトがないからこそどんな食事にも合うから。淡くキレイな酒、そんな酒があってもいいでしょ？おっしゃる通り、いいと思います。

特約店でしか買えない

緑川は蔵元の方針に賛同する特約店でしか買えません。蔵元が直接販売することもなく、そもそも公式HPを持っていません。

かず

なので流通量が少なく、新潟ロスのど真ん中をひた走っている。そんな酒、スポットを当てたくなるやん？

日本酒の銘柄「緑川」：蔵元情報

1884年創業、緑川酒造株式会社が蔵元です。

新潟県魚沼市にあり、周囲をコシヒカリなどが育つ田園に囲まれています。鮎が泳ぐ澄みきった川が流れています。質の高い米と水を越後杜氏が醸す新潟は銘醸地として有名ですが、その中でも魚沼地域は高原特有の寒暖差と積雪による安定した気温で酒造りに適しています。

かず

仕込み水は、魚沼丘陵の伏流水を地下50mより汲み上げています。

外回りの営業マンがいない

緑川酒造には、外回りの営業マンがいません。「営業なしでどうやって売るの？」というと、販売は全て特約店に託しています。

特約店システムを取り入れたのは約25年前。当時、大平社長と営業部員の2人で全国をまわって、取引を希望する販売店をリスト化しました。「緑川を知っている人に託したい」という想いは今も変わっていません。

かず

ネット販売に頼らず、自社公式サイトさえ持たない酒蔵。緑川酒造の理念に基づく特徴です

米へのこだわり

メインは「北陸12号」という酒米を使用。特徴としてはこんな感じです。

かず

緑川酒造が使う北陸12号は、全て地元の小出地区産。現在の契約農家は約20軒。田植え前、穂肥前、刈り入れ直前に田んぼを見に行くそう

「緑川 純米吟醸」を飲んだ感想

ジャケ写真です。

ちょっと質感のある厚めのラベル。右上のピンク色がアクセントです。

キャップと裏ラベルです。

かず

『冷酒かぬる燗がおすすめ』ってことなんで、飲み比べてみます

まずは冷酒でいただく

パインのような香りです。ひと口いってみます。

かず

あー淡麗！！新潟の凍てつく冬、横なぐりにふぶく夜中に浮かぶ一軒家が頭に浮かびました。キレ味鋭い味わい。でも最後の最後には旨味がちょこっと感じられる。まるで一軒家に灯る明かりのよう

つづいて鈴冷え（15℃）で

かず

甘味、旨味がグッと増す！！シャープな切れ味は変わらないけど、力強さというか厚みが出る感じ。後半少し苦味あり。冷酒ではラスト旨味だったけど、鈴冷えはのっけから甘味をまとった旨味を感じます。

最後にぬる燗（40℃）でいただく

かず

ゴクリと飲んだ後に、酸がブワッと広がる！！さっきまでの鋭いキレは弱まています。『別の酒！？』って思うほど違う味わい！！

詳細データ

「緑川 純米吟醸」の個人的評価【5段階】

ひとことで言うと、「キレ味鋭い淡麗」です。

食事と一緒に飲むと、ひと口食べ終わるごとに杯に手が伸びてしまいます。口の中がスッキリして、次の食事への流れが出来上がります。

ぬる燗にすると、酸に厚みが増して別の酒のような味わいに変化します。

■向いている方

というわけで、今回は以上です。