本記事の内容
- 「獺祭」についてざっくり解説
- 「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」を温度別に飲んだ感想
- 「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」の個人的評価
記事の信頼性
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国際唎酒師が選ぶ日本酒!銘柄100種類の旅ノート49【獺祭】
先日、僕はこんなツイートをしました。
獺祭 磨き二割三分を頂きました。
原料米は、自社が管理する田んぼで手塩に育てた山田錦です。ここまで磨いたお酒を飲むのは初めて❗️甘く華やかな白ワインを想像しますが、実際の味わいどうなんやろう…とっても楽しみです😊#日本酒 #獺祭 #磨き二割三分 pic.twitter.com/ORpBtiBsEq— かず@TOEIC900超え (@kaz_toeic950) October 9, 2020
原料米は、自社が管理する田んぼで手塩に育てた山田錦です。ここまで磨いたお酒を飲むのは初めて❗️甘く華やかな白ワインを想像しますが、実際の味わいどうなんやろう…とっても楽しみです😊
日本酒の旅ノート49は、「獺祭」について解説します。
日本酒の銘柄「獺祭」:3分解説
獺祭という銘柄は聞いたことがあるかもしれません。磨き二割三分というのは、「原料である米の外側を77%削ってから仕込みました」という意味です。
通常の純米酒は60~70%です(精米歩合といいます)。そもそもなぜ磨くのかというと、酒米の中心には「心白(しんぱく)」とよばれるでんぷんが多く含まれる部分があります。
米を磨いて心白だけで日本酒を造ると、雑味の少ないすっきりとした味わいになります。吟醸酒や大吟醸酒で米を多く削るのはこのためです。
酒米は、自社の田んぼで育てた山田錦を使用しています。
山田錦とは
最も多く使用される酒造好適米です。華やかな香りと米の甘味が特徴、細くてキレイな味わいです。
磨きは日本酒最高クラス
日本酒は、精米歩合が50%以下まで磨くと「大吟醸」と表記することができます。なので、なるべくコストをかけずに大吟醸を造ろうとすると、精米歩合は50%が理想です。精米歩合はラベル表記が義務づけられているので見て頂くと、多くの大吟醸酒は50%磨きです。
23%磨くとコストは2倍以上となり、さらにその米を使いこなす技術が必要です。なぜなら、磨きは1~2時間で完了するものではなく、なんと7日間(168時間)もかかります!
精米後の米は摩擦熱で含水率が極端に少なくなっているので、元の状態に戻すために1ヶ月以上貯蔵してから洗米行程に進んでいます。
飲み頃の温度
蔵元によると、「獺祭 磨き二割三分」は10~12℃(冷蔵庫から出して10分程度)、もしくは常温がオススメの温度帯だそうです。
冷蔵庫から出したばかりだと口当たりがかたくなってしまい、獺祭らしい甘味やふくらみがそこまで感じることはできないとのこと。
日本酒の銘柄「獺祭」:蔵元情報
1948年創業、旭酒造株式会社が蔵元です。
もともとは地方の小さな酒蔵でした。普通酒の売り上げが年々減少する中で、杜氏が辞めるというピンチに陥る事態に…
この状態を脱出するために講じた手段が、大きく3つあります。
- 原料米は山田錦に絞る
- 杜氏制度の廃止
- 純米大吟醸のみ四季醸造
原料米は山田錦に絞る
「ふーん、そっか~」と思うかもですが、これ「言うが易し、行うは難し」です。なぜなら、山田錦は一番人気の酒米なので値段が高い。しかも、他の酒米を使わないなら、質の良い山田錦を毎年安定的に確保しなければならない。
おそらく、全国の山田錦農家を1件1件訪れるドブ板営業をしたに違いありません。
そうやって、地道に契約を結んでいった山田錦生産者は、今や160名にのぼります。旭酒造では、彼らを対象に「山田錦コントスト」を毎年開催しており、1位に輝いた山田錦を50俵2500万円で買い取る賞に話題が集まりました。
ちなみに、2020年度山田錦コンテストは1位3000万円です!!
杜氏制度の廃止
杜氏が辞めたのをきっかけに、社長以下、素人の社員が一致団結した組織として醸造を始めました。
そのために、酒造りの機械化、データ化、マニュアル化を推し進めました。素人でも安定した酒造りができる環境づくりにリソースを投下しました。
とはいえ、全てを機械に頼っているわけではありません。醪(もろみ)の温度管理や洗米など機械で調整できない繊細な工程は、全て人の手で行っています。
純米大吟醸のみ四季醸造
ふつう、日本酒は「寒造り」といって冬に仕込みますが、旭酒造は、年間通して仕込んでいます。
空調や換気、温度管理のオートメーション化により実現が可能となり、年間生産量が飛躍的に伸びました。
しかも、造る酒は全て純米大吟醸です。
名称 | 旭酒造株式会社 |
創業 | 1948年 |
住所 | 山口県岩国市周東町獺越2167-4 |
電話番号 | 0827-86-0120 |
生産能力 |
一升瓶換算で年間約500万本 |
「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」を飲んだ感想
ジャケ写真です。
達筆で力強い、筆で書かれたような文字で書かれています。
キャップの写真です。
キャップが紙で包まれており、開ける時「いま開けていいかなぁ」とプレッシャーがかかります。
裏ラベルの写真です。
冷酒でいただく
一升瓶から300ml瓶に移し替えました。まずは冷蔵庫から出したばかりの冷酒で頂きます。
華やかな香り、純米大吟醸らしいですね。ひと口いってみます。
ふた口目は、グレープフルーツのような苦みも少し感じます。
つづいて涼冷え(15℃)で
とても華やかな香りです。
最後に常温で
詳細データ
銘柄 | 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 |
産地 | 山口県 |
種類 | 純米大吟醸酒 |
精米歩合 | 23% |
原料米 | 山田錦 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
アミノ酸度 | ‐ |
酒母 | 速醸 |
アルコール度数 | - |
製造年月 | 2020年8月 |
杜氏 | なし |
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「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」の個人的評価【5段階】
- 甘味:☆☆☆☆
- 酸味:☆☆☆
- 苦味:☆☆
- 旨味:☆☆
一言でいうと「山田錦の優等生」。酒米の王様の特徴を出す方向にぶっちぎったお酒です。
ただ冷酒だと甘味は抑えられ、スッキリした印象です。発酵を進めているのかな?「純米大吟醸=甘い」という先入観を持っていたこと、それが正しくないことに気づかされました。
■向いている方
- 山田錦の特徴を引き出した味を堪能したい人
- 獺祭を飲んでみたい人
- 華やかでキレイなお酒が好きな人
というわけで、今回は以上です。
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