本記事の内容
- 「仙禽」についてざっくり解説
- 「仙禽 オーガニックナチュール 2020」を温度別に飲んだ感想
- 「仙禽 オーガニックナチュール 2020」の個人的評価
記事の信頼性
毎日1合たしなみ、舌を鍛えてますよーー!
国際唎酒師が選ぶ日本酒!銘柄100種類の旅ノート33【仙禽】
先ほど、僕はこんなツイートをしました。
「仙禽 オーガニックナチュール2020」を買いました。栃木の地酒です。日本酒のイメージないかもですが、鳳凰美田や姿、惣誉などがあります🍶
この銘柄は、現代製法を基準とするとあり得ない製法で造られています。当然味も個性的になる。特徴と感想を今夜ブログにアップします#日本酒 #純米酒 #仙禽 pic.twitter.com/Gia18r2xBe— かず@TOEIC900超え (@kaz_toeic950) August 23, 2020
この銘柄は、現代製法を基準とするとあり得ない製法で造られています。当然味も個性的になる。特徴と感想を今夜ブログにアップします。
日本酒の旅ノート33、「仙禽」について解説します。
日本酒の銘柄「仙禽」:3分解説
仙禽は、栃木県の地酒です。
栃木って日本酒のイメージありますか?ぶっちゃけないかもですが、鳳凰美田や姿、惣誉、大那などわりとあるんですよね。
そこで、今回ご紹介するのは「仙禽 オーガニックナチュール 2020」です。
超古代製法によって醸される日本酒
最新機械の技術革新により、現代日本酒はあり得ない進歩を遂げていることは事実です。しかし一方で、「きれいな酒を造るために米を磨く精米歩合戦争」、「醸造期間を短縮するために乳酸や酵母の人工添加」は常識となり、進化を遂げたゆえに失ったものがあります。
それら失ったものを復活させることが、「仙禽 オーガニックナチュール」のコンセプトです。
- 酵母無添加
- 木桶仕込み
- 亀ノ尾の使用
- 米を磨かない
つまり、日本酒造りの効率化へのアンチテーゼです。
酵母無添加
現代の日本酒造りは、アルコール発酵に酵母を人工的に添加しています。協会酵母というものが売られており、目指す酒質や味わいから適切な協会酵母を選んで添加するケースが一般的です。
昔のように発酵途中で腐敗することがなくなり、安定的に醸造することができるようになりました。
一方、「仙禽 オーガニックナチュール 2020」は、酵母を添加しません。
酒母を造る過程で昔から蔵に棲み付いている「蔵付き酵母」が自然に取り込まれ、その酵母がぶどう糖をエネルギーとして増殖しつつアルコール発酵を行います。
木桶仕込み
現代の発酵工程では、金属性のタンクを使って醪(もろみ)を0.5℃以下の精度でコントロールします。酒質の安定が格段に進んだことは間違いないですが、熱がストレートに伝わる欠点が金属タンクにはあるといわれています。
木桶仕込みの場合、熱が緩やかに伝わるために酵母がのびのびと活動します。その結果、雄大な酒質となり旨味がでます。木桶特有の風味も特徴です。
亀ノ尾の使用
亀ノ尾とは
もともとは、明治時代に食用米として山形県庄内町で開発されました。コシヒカリやササニシキは品種改良を遡っていくと亀ノ尾に辿りつきます。農薬等の現代農法に向かず一度は姿を消しましたが、久須美酒造が復活させたことで再び使用する蔵が増えていきました。しっかりしたコクや旨味がのる味わいが特徴です。
有機栽培で育てた亀ノ尾を100%使用して造っています。
米を磨かない
現在の日本酒は、「米を磨いていかに精米歩合を下げるか」が1つのブランドとなっています。たとえば、「獺祭 磨き二割三分」は米の外側77%を削っていることでキレイな味を出しています。
磨きの技術が進んだことで今までになかった甘味が出せるようになった一方、旨味は捨てざるを得ません。
日本酒の銘柄「仙禽」:蔵元情報
1806年創業の株式会社せんきんが蔵元です。
仙禽は創業当時から続く銘柄で、「仙人につかえる鶴」が由来といわれています。2008年に新会社「せんきん」に事業移管されてから酒質は一変し、全国的に認知される地酒となりました。
現在は、ワインのように日本酒のドメーヌ化に取り組んでいます。
ドメーヌ化とは何?
同じぶどう品種であっても、場所や生産者によって香りや味わいは違ってきます。「あの生産者が育てたメルロー」など、ドメーヌ自体がストーリーとなり、価値を生みます。
同じように、「栃木県さくら市で栽培された亀ノ尾」というように日本酒のドメーヌ化を進めている蔵です。
酸というと「酸っぱい」イメージですが、酸と旨味を同調させて味に立体感をもたせます。様々な蔵つき酵母の連携プレーが、酸の質感を崩すことなく旨味を残した発酵を行います。
超古代製法
(株)せんきんの公式HPにはこのように書かれています。
超古代製法によって創られる「仙禽ナチュール」は、酵母無添加(蔵付き酵母)、木桶仕込み、生もと酒母、古代米使用(亀ノ尾)、磨かない米であることが前提。
現代の技術で日本酒の平均点は間違いなく上がっている一方、似たような味が多くなっているとの指摘もあります。そこで、あえて明治初期をイメージした温故知新の製法にチャレンジしています。
- 乳酸を人工的に加えない生酛づくり
- 山田錦は使わない(当時まだ存在していない)
- 精米機のない時代、精米歩合は90%以上
- 清酒酵母を人工的に加えず蔵付き酵母を呼び込む
- ホーロータンクではなく木桶で仕込む
この超古代製法は現代製法と比べて手間・時間・コストが格段にかかりますが、せんきん独自の味を追求していくためにこの「ナチュール」を徐々に増やしていくつもりです。
名称</td | 株式会社せんきん |
創業 | 1806年 |
住所 | 栃木県さくら市馬場106 |
電話番号 | 028-681-0011 |
年間数量 | - |
「仙禽 オーガニックナチュール 2020」を温度別に飲んだ感想
ジャケ写真です。
黒のボトルに仙禽のシンボルが大きく描かれています。愛情の赤、伝統の白、革新の黒です。
キャップと裏ラベルの写真です。
冷酒でいただく
封を切ると「シュッ」と発泡しました。上立ち香はオレンジのような柑橘系です。ひと口いっていみます。
続いて凉冷えで♪
タイとハマチの柵を買って刺身にして合わせました。ひと口いってみます。
詳細データ
銘柄 | 仙禽 オーガニックナチュール 2020 |
産地 | 栃木県 |
種類 | 純米酒 |
精米歩合 | 90% |
原料米 | 栃木県さくら市産亀ノ尾100% |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
アミノ酸度 | - |
酒母 | 生酛 |
アルコール度数 | 14度 |
製造年月 | 2020年7月 |
杜氏 | ‐ |
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「仙禽 オーガニックナチュール 2020」の個人的評価【5段階】
- 甘味:☆☆☆
- 酸味:☆☆☆☆
- 苦味:☆☆
- 旨味:☆☆☆
一言でいうと、「ラムネと果実酒を足したようなお酒」です。この味の延長線上にはこのお酒しかないですね。とても個性的でインパクトのあるお酒です。
■向いている方
- インパクトのあるお酒を味わいたい方
- 「仙禽 ナチュール」のストーリーに興味のある方
- 日本酒で清涼感を味わってみたい方
というわけで、今回は以上です。
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