国際唎酒師が選ぶ日本酒！銘柄100種類の旅ノート28【秋鹿】

シェリー

日本酒銘柄100種類の旅ノート。大黒正宗の次は？

『秋鹿』を紹介するよ

かず

本記事の内容

記事の信頼性

かず

この記事を書く僕は、2016年1月に国際唎酒師を取得しました。
毎日1合たしなみ、舌を鍛えてますよーー！

国際唎酒師が選ぶ日本酒！銘柄100種類の旅ノート28【秋鹿】

先ほど、僕はこんなツイートをしました。

「秋鹿 純米無濾過 八八八」を買いました。名前面白いですよね？最初ハハハだと思いました(^_^;)
買った後に調べていると、名前の意味と希少性を知ることができました。夕方飲んでみて、特徴と感想を今夜ブログにアップします😊#日本酒 #純米酒 #秋鹿 pic.twitter.com/010OXsPg19

— かず@TOEIC900超え (@kaz_toeic950) August 16, 2020

日本酒の旅ノート28は、「秋鹿」について解説します。

日本酒の銘柄「秋鹿」：3分解説

秋鹿は、大阪府の地酒です。

今回紹介する銘柄は「秋鹿 純米無濾過生 八八八」です。

かず

名前めっちゃオモロくないですか？僕は最初「ハハハ」かと思ったんですが、ちゃんと意味がありました^^

■「秋鹿 純米無濾過生 八八八」の特徴

順番に説明します。

八反錦、80%、8号

このお酒は八反錦、精米歩合80%、協会8号酵母が特徴です。これがネーミングの由来であり、「ハハハ」ではなく、「八八八」だったんですね。

「秋鹿 純米無濾過生 八八八」は、広島県産八反錦の外側を20%削った（精米歩合80%）ものを仕込み米としています。

協会8号酵母とは？

実は、協会8号酵母というのは現在販売中止になっている酵母なんです。

協会8号酵母は、1960年に協会6号酵母の変異株として誕生しました。多酸で濃醇酒向きの味わいが特徴なのですが、当時端麗辛口が流行っていたトレンドと真逆で需要がありませんでした。その結果、1978年頒布中止となりました。

しかし消費者のニーズが淡麗一辺倒から多様に移り、特に濃醇旨口や肉に合う日本酒を造る際に少数の酒蔵が実用を復活させるようになりました。

かず

とはいえ、協会8号酵母はまだまだマイナー。多酸ってどの程度なのか・・・楽しみです！！

2年熟成

さらに2年熟成です。

日本酒は、秋に収穫された米を使って仕込み冬に造ります。年明けに新酒として流通させるのが通常で、熟成は現金化できない点と在庫リスクの点から蔵元にとってメリットはありません。

かず

そこをあえて2年熟成させるわけです。とても希少性の高い日本酒ですよね

日本酒の銘柄「秋鹿」：蔵元情報

1886年創業、秋鹿酒造有限会社が蔵元です。

大阪府北部の最北部「北摂連山」に囲まれた能勢にあり、140年続く老舗企業です。大阪といったら暖かく雪は降らないイメージですが、厳しい寒さで酒質が鍛え抜かれる環境です。

秋鹿酒造有限会社の特徴

酒造りは米作りから

秋鹿酒造は創業140年にわたり、米作りから酒造りまで一貫して行っています。

多くの酒蔵は玄米、あるいは精米済みの米を買って酒造りを行います。しかし、秋鹿酒造は近隣町内農家から購入しつつ、自営田をもってます。

かず

1995年から無農薬の山田錦栽培を始め、2012年にはモミ・米ぬか・酒かすを肥料にした「循環型無農薬有機栽培」に取り組んでいます。

つまり、日本酒は土づくりから始まるとの考えです。

全量純米酒のこだわり

秋鹿で造られるお酒は、すべて純米酒です。醸造アルコール添加酒は完全廃止しています。

料理と一緒にのむ食中酒がコンセプト、旨味たっぷりで個性豊かな酸が特徴です。コシが強く、冷酒・常温・燗酒どの温度帯でも味が崩れない。。。大阪を代表する蔵元です。

「秋鹿 純米無濾過生 八八八」を飲んだ感想

ジャケ写真です。

1枚のラベルにたくさんの情報が書かれています。正面、ハンコのように「八号、八反錦、八割」と表記されています。

かず

酸度2.7です。めちゃくちゃ高い！！！

キャップの写真です。

かず

無濾過生原酒なので、冷酒と涼冷え（15℃）で飲み比べてみたいと思います。

冷酒でいただく

香りはほぼなし。ひと口いっていみます。

かず

（ゴクリ）・・・深い！！酸味、旨味、甘味、苦味が複雑に混ざり合った奥深い味わいです。飲み終えた後に「キン！」と一瞬、グレープフルーツを思わせる苦味のピークが感じられます。

国際唎酒師として色々な日本酒を飲んでいますが、似た味の銘柄は正直ないです。懐がとても深い、そして米の旨味を感じる個性豊かな味わいです。

続いて凉冷えで♪

上立ち香は、わずかにチーズのような発酵系。ひと口いってみます。

かず

んんーー酸が力強い！！そこに旨味がキラキラと雫のように内包されているイメージです。涼冷えでこれだけ味に立体感があるとは驚きです！！

そして、飲むにつれて味わいが変わりますね。それは味蕾の感覚変化なのか、お酒の温度変化なのかは分かりませんが、アタックが新鮮なグレープフルーツに旨味を足したような味わいです。

詳細データ

「秋鹿 純米無濾過生 八八八」の個人的評価【5段階】

一言でいうと、「味に立体感のある辛口酒」です。単なる辛口ではなく、味の深さ・複雑性が段違いです。

■向いている方

というわけで、今回は以上です。