本記事の内容
- 日本酒がコスパ最強の理由
- 蔵元が日本酒を値上げできない理由
- 味わい別にコスパ最強銘柄を厳選紹介【国際唎酒師おすすめ3選】
記事の信頼性
毎晩1合たしなみ、舌を鍛えつつ人生ゆるく生きています。
日本酒はコスパ最強!消費者にとって日本酒は超お得な理由とは?
結論は、「日本酒は主原料コストがビールの8.7倍だから」です。
純米酒と麦芽100%ビールを比べます。
ビールの主原料が占めるコスト比
ビールの主原料は麦芽であり、ほぼ輸入品です。
この麦芽の原価ってご存知ですか?
財務省の貿易統計から調べることができます。(品目コード:00915、品目名: 麦芽)
農産物なので収穫量により変動はありますが、概ね50円前後/kgで推移しています。
350ml缶ビール1本あたりの麦芽使用量は約50gです。なので、麦芽のコストは50円×50g/1000g=2.5円です。
缶ビールの値段を250円とすると、コスト比は1%ですね。
日本酒の主原料が占めるコスト比
日本酒の主原料は米であり、ほぼ国内品です。
最も多く使われる酒造好適米は山田錦、その次が五百万石です。
それぞれの原価を計算します。(参考資料:日本酒をめぐる状況)
- 山田錦:23,600円/60kg→393円/kg
- 五百万石:16,400円/60kg→273/kg
日本酒720ml瓶あたりの米使用量は約330ℊです。なので、米のコストは393円×330g/1000g=130円
720ml瓶の価格を1500円とすると、コスト比は8.7%です。
つまり、日本酒はビールに比べて原料コストを8倍以上かけています。
実際はそれ以上のコスト差があります。なぜなら、日本酒は米の外側を10~50%削って仕込むからです。
ビール | 日本酒 | 日本酒 | |
主原料 | 麦芽 | 五百万石(米) | 山田錦(米) |
コスト比率 | 1% |
6% | 8.7% |
【日本酒はコスパ最強】蔵元が値上げできない理由
結論は、「焼酎やワインに流れて売り上げが減るリスクがあるから」です。
もし、日本酒の価格を原料コストから考えて設定すると、製造コストの安い焼酎やワインと比較して非常に高く見えます。
そうすると、需要が流れて売り上げが減りますよね。なので、蔵元は安易に値上げできない構図です。
つまり、日本酒は消費者にとってコスパ最強です。
原価を考えて価格をつけていないんです!
日本酒のコスパ最強銘柄3選【国際唎酒師おすすめ】
原材料が米と水のみの日本酒を選びます。
米と水のみで造られる日本酒
- 純米大吟醸酒
- 純米吟醸酒
- 純米酒
特にコスパ最強なのは純米酒です。味わいの違いから厳選して3つ紹介します。
【華やか系】加賀鳶 純米吟醸
加賀鳶は石川の福光屋が醸すブランドです。
1625年創業、金沢で最も長い歴史を持つ酒蔵です。
日本酒の本当のおいしさにこだわり、2001年から全量を純米造りに切り替えています。(純米酒、純米吟醸、純米大吟醸だけを造ります)
フルーティな香り、米のやわらかな甘味が広がる味わいです。
一升瓶で年間100万本以上出荷する蔵元です。
銘柄 | 加賀鳶 純米吟醸 |
産地 | 石川県 |
種類 | 純米吟醸酒 |
精米歩合 | 60% |
味わい | 華やかな香りのお酒。米のやわらかな甘みとキレのある酸 |
価格 | 1,804円 |
Amazon公式サイト |
【爽やか系】春鹿 超辛口
春鹿は奈良の今西清兵衛商店が醸すブランドです。
1980年代、まだ甘口が主流だった日本酒度+12という超辛口を発売。
香りや甘味は控えめ、強いキレが炒め物や照り焼きなど脂っぽい食事もザっと洗い流してくれます。
ただ辛いだけでなく、ふくらみのある旨味を後味に感じる純米酒。
奈良酒の伝統である「南都諸白」を現在に伝えています。
銘柄 | 春鹿 超辛口 |
産地 | 奈良県 |
種類 | 純米酒 |
精米歩合 | 60% |
味わい | 香り、甘味は控えめ。強いキレが脂を洗い流し、ふくらみある旨味が残ります。 |
価格 | 2,080円 |
Amazon公式サイト |
【ふくよか系】大七
大七は福島の大七酒造が醸すブランドです。
生酛づくりという昔からの伝統を守りつつ、米の削りには最新の機械を導入する蔵です。(超扁平精米技術)
豊かなコクと旨味に酸味を巻いた、心に染み入るおいしさです。
温めることにより変わる味わいが楽しめます。
この味わいでこの価格。誰にでも安心しておすすめできるお酒です。
銘柄 | 大七 純米生酛 |
産地 | 福島県 |
種類 | 純米酒 |
精米歩合 | 非公開 |
味わい | 滋味あふれる奥深い味わいが口いっぱい広がります。燗映えするお酒 |
価格 | 1,726円 |
Amazon公式サイト |
まとめ
「とりあえずビール!」にちょっと疑問をもってみませんか?
冷静に考えると、一番得するのはビール会社ですよね。
自分の飲みたいお酒を考える。そこで日本酒を試してみませんか?
上の日本酒は本当におすすめなので、好みに合わせて一度してみてください^^